ローソン、元ユニクロ社長の玉塚元一氏を国内コンビニトップに抜擢

今回の人事では、玉塚氏はローソンの代表取締役ではなく、また新浪社長もローソンのオーナーではない点が、かつての柳井−玉塚体制とは異なる。玉塚氏はファーストリテイリング退社後、小売業専門の企業再生会社リヴァンプの代表取締役として、ロッテリアなど外食やブランド会社の経営再建に取り組んできた。

ただ、新浪社長は「あと10年は社長をする」と周囲に公言しており、玉塚氏や加茂氏に後継者候補が絞られたと判断するのは早計。むしろ、コンビニでは首位セブン-イレブンや国内3位のファミリーマートに海外店舗数で劣るローソンが、「日本型コンビニの海外展開」として満を持して取り組める段階まで国内事業の成長戦略が確信できたと新浪社長が判断したということだろう。

生鮮コンビニ「ローソンストア100」や自然志向の高級店舗「ナチュラルローソン」、あるいは店内調理の充実、マツモトキヨシや調剤薬局クオールとのコラボ店舗など、縦横無尽の多角化と差別化で一日の長があるローソンだが、これまでは「当初ブチ上げる中期目標1000店等の数字に比べ、多店舗化のペースが遅い」(他コンビニ)と揶揄されてきた。

が、九九プラス買収後、提携農家ローソンファームやプライベートブランド「バリューライン」で磨きをかけた生鮮コンビニは1000店を突破、難産だった店内調理「神戸ホッとデリ」の多店舗化にもメドがついた模様。支店への権限委譲で、各支店は店舗開発段階から生鮮コンビニか、ナチュラルローソンか、店内調理か、など形態を柔軟に選別・設定できるようになり、他チェーンとの差別化も加速する見込み。

コンビニ経営経験のない玉塚氏の手腕は未知数だが、「コンビニはSPA(製造小売業)だ」とは新浪社長の持論。衣料品SPAの盟主ユニクロでの経験がいかんなく発揮されると期待されての抜擢だ。玉塚氏は2010年11月からローソンに顧問として入社しており、リヴァンプは退任する見通し(無償の非常勤取締役として残留)。ユニクロ以来の大舞台復帰で玉塚氏の“リベンジ”となるか、新年度の展開が注目される。
(撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)

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