「安定した仕事と約束され働いていたのに、突然辞めさせられた。人生最悪の経験だ」。シャープ亀山工場(三重県亀山市)で働いていた、日系ペルー人のスズキ・ファビオラさんは2018年12月上旬、都内で開かれた記者会見で憤りを込め話した。
シャープが亀山工場で生産していた米アップルのiPhone用センサー部品の減産の影響で、工場で働く約3000人の日系人が雇い止めされたとみられている。多くはシャープの下請け会社グループと1〜2カ月間の有期雇用契約を結び派遣されていた。期限が来るたびグループ内の別会社に移り、工場内で仕事を続けてきた。
スズキさんたちの所属する、ユニオンみえの神部紅(じんぶあかい)書記次長は、「短期で形式上の雇用主を変えることにより、会社は社会保険料の負担を免れようとしたのだろう」と話す。会見に出席した日系人4人は、今も求職中だという。
バブル景気による人手不足に対処すべく、政府は1990年に入管法を改正、ブラジルやペルーなどの日系人2世、3世とその家族向けに、就労活動に制限のない「定住者」の在留資格を新設した。
単純労働での外国人受け入れは認めないという建前を維持しつつ、血縁を理由に例外的に開放した結果、中心となったブラジル人はピークの07年には30万人を超えた。だが、08年のリーマンショック時の「派遣切り」で、その多くが職を失う。日本政府が帰国費用の一部を支給する制度を利用し帰国する日系人は2万人に至った。
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