有料会員限定

保険、製薬が渇望する医療ビッグデータ始動 医療|焦点は遺伝情報の取り扱い

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

特集「データ階層社会」の他の記事を読む

遺伝子の状態を、体に傷をつけずに画像だけで解析できるようになるかもしれない。

産業技術総合研究所の瀬々潤・招聘研究員は、磁気共鳴断層撮影(MRI)による脳腫瘍(しゅよう)の画像と遺伝子解析の結果を人工知能(AI)に読み込ませてきた。AIは「学習」を重ね、最近は画像だけで遺伝子の変化を予測できるようになったという。

「これまでは頭をパックリと開けて腫瘍部を取り出し、やっと遺伝子解析ができた。今後は頭を開けずに画像だけで解析ができ、患者に最適な治療法を提示できるようになるかもしれない」(瀬々氏)

脳腫瘍を取り出す手術は時に神経マヒなどの後遺症を残す。画像だけでの遺伝子解析が可能になれば、手術せずに最適な治療の判断ができるようになる。患者の心身への負担も軽減できる。

国立がん研究センター研究所の加藤護・部門長は、約40種類のがん患者約3000人、約2万2000種類の遺伝子の変異と生存率のデータをAIに学習させてきた。その結果、「肝細胞がんでこの遺伝子に変異があると、3年後の生存率はおおよそこのぐらい」といった予測が立てられるようになってきた。

関連記事
トピックボードAD