2006年に登場した米グーグルの翻訳サービスの精度が昨年11月、驚異的に向上した。
たとえば米ウォールストリート・ジャーナル(ウェブ版)に掲載されている、トランプ米大統領の銃規制緩和に関する記事の一部を入力すると、即座に次のような和文に変換された。「州と連邦の法制が統合されれば、全米の隠し銃器の持ち込み制限を緩和することができる。これは、敵対的活動家の長年の目標である」。
表現のつたなさは残るものの、語順や助詞の使い方などが適切で、一読して文意を理解できる。自動翻訳は、単語の置き換えはある程度正確でも文章全体としては人間の翻訳者に遠く及ばない──そんな先入観を覆す精度といってよいだろう。
この飛躍的な精度向上を支えているのは、グーグルが自主開発したAI(人工知能)用のプロセッサー、「TPU(テンサー・プロセッシング・ユニット)」という半導体だ。翻訳精度はグーグル独自のAI技術「テンサーフロー」を導入したことで向上した。TPUはこのテンサーフローを最も高速かつ低電力で動かすために開発された。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら