毎年6月と11月に発表される「トップ500」は、世界で最も計算速度の高いスーパーコンピュータのランキングだ。
今年6月下旬に発表される最新順位では、中国の国家プロジェクト「神威太湖之光」(→関連記事へ)が首位を守ると予想されている。だが今回はもう一つ、注目点がある。日本の半導体開発ベンチャーが、初めてトップ3に入る可能性があるのだ。
その企業はペジーコンピューティング(東京・千代田区)。医師の資格を持つ異色の経歴の起業家、齊藤元章氏が2010年に立ち上げた。

齊藤氏が日本での起業を決めたのは、東日本大震災の影響もあるという。「スパコンは自然科学などの研究分野では欠くことのできない道具。これを作ることで国内の優れた研究者を支援し、日本の社会に貢献できる」(撮影:梅谷秀司)
スパコン向けには14年4月に参入。それからわずか1年余り後の15年6月、関連企業と作る複数のスパコンが、「電力効率ランキング」で首位から3位までを独占した。
このランキングにはトップ500と同様、日米の大手企業と中国の国家プロジェクトが名を連ねることが多い。ベンチャーが首位に入るのは世界初で、開発期間の短さを考慮すると奇跡に近い快挙だ。昨年11月に米エヌビディアと米クレイの後塵を拝したが、それでも3位につけている。
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