「今日ここで、トヨタ自動車に採用されたと明らかにできることを、たいへん光栄に思う」。米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOがそう語ると、すでに熱気を帯びていた会場からひときわ大きな拍手が湧いた。
5月10日、米シリコンバレーで行われた技術者向けイベントでの基調講演。2時間を超える講演での最大のハイライトが、トヨタとの協業発表だった。
エヌビディアは1993年創業のファブレス(工場を持たず開発を専業とする)半導体メーカー。主力製品はGPUという画像処理に適した半導体だ。これまで主に、パソコンや据え置き型ゲーム機に搭載されてきた。近年になってディープラーニングなどAI(人工知能)の処理にGPUが適していると研究で判明。すると自動運転やクラウドコンピューティングを手掛ける企業が、競ってエヌビディアに協業を求めるようになった。
トヨタには今後、GPUと関連のソフトウエアなどで構成する自動運転技術を提供する。この技術を基に両社で数年かけ、運転システムを共同開発するという。協業の発表後、エヌビディアの株価は高騰し、10日の終値は121.29ドルと前日比18%増、時価総額は721億ドル(8.17兆円)に達した。日本企業で時価総額が8兆円を上回っているのは6社しかない。
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