重視すべきは、カネか経営力か
東芝が進めている半導体子会社「東芝メモリ」の売却交渉。5月19日には正式な買収条件を提示する2次入札が締め切られるはずだった。だが、その行方は混沌としてきた。最大の誤算は、メモリ製造工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)との対立が抜き差しならなくなっていることだ。
WDは、東芝が保有している合弁会社株式の東芝メモリへの移転、さらに東芝メモリの第三者への売却を自社の同意なしに行うのは「合弁契約に違反する」と非難。売却する場合には自社の優先交渉権を主張してきた。
東芝は「WDの主張に根拠はない」と反発。もともと東芝が組んでいたのは米サンディスク(SD)であり、2016年にWDがSDを買収したが「その際に東芝は同意を求められていない」(綱川智社長)とする。
業を煮やした東芝が、WDにメモリ売却の妨害行為の停止を求める警告文を送付したところ、WDも対抗策に打って出た。5月15日には東芝メモリの売却差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てた。
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