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現実路線へ転換だが日本の役割拡大も重視 米国が同盟国に向ける視線

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2月の日米首脳会談でトランプ大統領は「米国は日本と100%、共にある」と、親密な関係をアピールした(読売新聞 / アフロ)

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発足して約3カ月半が経過したトランプ政権。この新政権に対し、「日本の安全保障政策をどう見ているか」と現時点で確定的な評価をするのは時期尚早だ。

各省庁の次官や次官補代理などの幹部が指名、議会公聴会を経て就任して活動するまでは、幹部ポストは事務方が代行しており、彼らの考え方が新政権の考えを反映しているとは限らない。トランプ政権では幹部の指名が過去の政権よりも大幅に遅れているため、なおさらそうである。

しかし、この3カ月半のトランプ政権の動きを見ると、同政権の安全保障政策がどのような方向性を持つかを見いだせる。その方向性と、トランプ政権にとって日本がどのような位置づけなのかを考えてみよう。

「トランプ政権は現実路線に転換したのか──」。北大西洋条約機構(NATO)事務総長がワシントンを訪問した際、トランプ大統領が「NATOは時代遅れではない」という発言をしたことはある意味象徴的だった。

トランプ大統領は2016年の大統領選挙期間中、「駐留米軍経費を100%負担しない国からは米軍を撤退させる」「NATOは時代遅れ」など挑発的な発言を行っていた。17年1月の大統領就任式の際も、自分の政策判断の基本原則は「アメリカ・ファースト」だと明言した。そのため政権発足直後は、トランプ政権下で米国の安全保障政策が大きく変容するのではないかという懸念が日本など米国の同盟国の間で高まっていた。

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