[ポイント1]
半世紀前には193人もの東大合格者を誇った日比谷高校。だが、東京都の学校群制度導入により、学力上位層の都立離れが進んだ。
[ポイント2]
2001年、石原慎太郎知事(当時)の都立高校改革で「進学指導重点校」に指定された日比谷高校は再び息を吹き返す。
[ポイント3]
都立では国立高校や西高校でも進学実績が伸びているほか、戸山高校が医学部専門の進学チームを始めるなど、逆襲の動きは広がっている。
ミュージカルの最終公演を涙声で歌い終えたキャストに、手狭な教室ながら100人以上詰めかけた観客から惜しみない拍手が送られた。「夏休みは毎日練習してきた。終わっちゃった」。女子生徒が目に涙を浮かべながら、クラスメートと抱き合っている。もらい泣きする観客も数知れない。
演じたのは東京都立日比谷高校の生徒たちだ。毎年9月に開催される星陵祭は日比谷の年間行事の中でもいちばん盛り上がる。お化け屋敷や模擬店はいっさいなく、全学年全クラスがミュージカルを中心に劇を行う。クラスごとに脚本を選び、ダンスがうまい、絶対音感を持つ、絵が得意などおのおののスキルを生かして作り上げられた劇は、3年生ともなればプロ顔負けだ。
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