福岡には「公立御三家」という言葉がある。修猷館高校、筑紫丘高校、福岡高校のことだ。
この3校は九州大学の合格者数でつねにトップを競い合ってきた。今年は修猷館が135人、福岡が115人、筑紫丘が110人に上り、3校とも例年100人前後の合格者を出している。東京大学の合格者数も修猷館と筑紫丘が8人、福岡が2人とよいライバル関係にある。
その中でも全国屈指の名門校として知られているのが修猷館だ。広田弘毅、平岡浩太郎、安川敬一郎、團琢磨など名だたる政治家、経営者を輩出している。
黒田藩の藩校「修猷館」として開学した1784年から数えると創立232周年。歴史は飛び抜けて長い。その後、福岡県令によって県立修猷館が設立されたのが1885年。県立とはいえ、天才軍師、黒田官兵衛の流れをくむ黒田家が費用を負担する関係が1900年まで続いていた、由緒正しき学校だ。
校名は、政治史・政教を記した中国最古の歴史書である『尚書』の「微子之命」中の句、「践脩厥猷(せんしゅうけつゆう)」による。藩校の時代から一貫してこの校名を使い、校長は「館長」、副校長は「副館長」と呼ぶのが古くからの習わしだ。
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