「これは大きなターニングポイント。勇気を与えられた」。埼玉県の私立高校教員は興奮ぎみに話す。
埼玉県の教育関係者に今年、激震が走った。名門男子校の県立浦和高校が私立栄東高校に2016年の東京大学の合格者数で初めて抜かれ、県内トップの座を明け渡したからだ。
埼玉は浦和を筆頭に、浦和第一女子高校、大宮高校、川越高校、熊谷高校など県立高校が圧倒的な地位を築いてきた。それだけに中高一貫である栄東の下克上は、県下のほかの私立高校を奮い立たせた。
ただこれを機に受験生の私立高校志向が一気に高まるかといえば、そう簡単ではない。中学・高校の入試事情に詳しいコアネット教育総合研究所の松原和之所長は、「栄東は東大クラスを中学から設け、その成果が出たもの。東大合格者の多くは中学からいる生徒だ」と指摘する。
地元の学習塾関係者も、「栄東が高校に設置した『東・医』(東大や国公立大学医学部を目標とする)クラスは緒に就いたところで、単願で志望する生徒はまだ多くない。浦和に行けなかった、万が一のときに身を預ける高校」と評する。
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