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ソフトバンクがほれこんだ英ARMの正体とは 半導体チップでIoT時代の影の支配者となる

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「次のパラダイムシフトはIoT。そこには半導体チップがたくさん入っていく。ARMの成長余力を考えると安く買えた」

今年7月18日、ソフトバンクグループは英半導体大手のARMホールディングスを約3.3兆円で買収することを発表した。この日の朝、ロンドンで記者会見した孫正義社長は、いつになく興奮した様子だった。

孫氏はその足で近郊の町、ケンブリッジへと向かった。ここにARMの本社がある。寝耳に水の知らせに戸惑う社員を前に「今後5年間で英国での雇用を2倍に増やすことを、法的にコミットする」と語った。

(上)2017年完成予定のARM新本社のイメージ。(下)現在のARM社屋。英国ケンブリッジの緑豊かな環境に本社を構えている

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事が動きだしたのは今年6月末。孫氏は米国シリコンバレーの別荘に、ARMのナンバー2、サイモン・シガースCEOを招いた。「互いのビジョンに通じるものがある」。そう感じた孫氏は、買収提案に向けARMのスチュアート・チェンバース会長に連絡。休暇中の同氏にトルコの港町へ寄ってもらい、7月4日、“プロポーズ”を果たした。そこから一連の手続きをわずか2週間で済ませ、18日の発表へとこぎ着けたのだ。

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