コンビニ事業の社長を「天職」と語っていた井阪隆一氏が、グループ全体の舵取りを担うことになった。鈴木敏文氏という大きな柱を失った流通グループはどこへ向かうのか。
鈴木敏文会長は5月26日の株主総会で退任する。「教祖」去りし後、セブン&アイ・ホールディングス(HD)はどこに向かうのか。コンビニの成長持続、総合スーパーをはじめとする不振事業の立て直しなど多くの難題に挑む井阪隆一・次期HD社長に聞いた。
──当初はコンビニ事業会社の社長続投を希望されていましたが、結果としてHDの社長に就任することになりました。
セブン‐イレブン・ジャパン(セブン)の社長としてまだまだやり残したことがあった。それについて退任というのは納得できなかった。
HDの社長は期せずしてというのが率直なところだ。ただ、社内外から推薦され、自分としては天命だと感じている。今までお世話になった加盟店や社員、取引先や株主など、すべてのステークホルダーの期待に応えられるように、人生を懸けて精いっぱいやっていきたい。
──4月7日の会見で鈴木会長は「新しいものが出てこなかった」と厳しい評価をされていました。
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