鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス(HD)会長の退任会見から日が浅い4月中旬の土曜日。JR上尾駅から車で10分ほどの「イトーヨーカドーアリオ上尾店」(埼玉県上尾市)に、伊藤雅俊名誉会長が姿を現した。車いすを押すのは、二男の伊藤順朗HD取締役だ。
食品売り場を見て回った伊藤名誉会長はパート社員ら一人ひとりと握手。「よくやっているなあ」と労をねぎらった。その姿勢にモチベーションを高めた店員は少なくない。
伊藤名誉会長が称賛するアリオ上尾店は、イトーヨーカ堂が2014年1月に始めた「独立運営店舗」の1号店だ。
本部が中心となった画一的な品ぞろえや運営ではなく、各店舗に権限を与えることで、地域の習慣や嗜好を踏まえた品ぞろえを進めている。チェーンストアの限界を感じていた鈴木会長が「好きにやっていい。売り上げを半分にしても構わない」とまで言って始まった。
同店の食品売り場ですぐに目に入るのは、オープンケース1台を埋め尽くすうどんだ。独立運営となりお客やパート社員の要望に耳を傾けた結果、同店はうどんの種類を増やすことにした。現場から提案しメーカーと共同開発したうどんのたれ「埼玉の味 冷汁うどんの素」は、今年4月末から全国展開も始まった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら