「僕なんかと比較したらおこがましいんですけど、鈴木さんを見ているとね、あれだけの人が最後は気の毒やなあと」
5月上旬、青山の東京本社で開かれた伊藤忠商事の決算説明会。社長交代の時期を問われた岡藤正広社長は、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長に自身を重ねた。
セブン‐イレブン・ジャパン(セブン)を支える取引先として業界内で真っ先に名前が挙がるのは、伊藤忠と三井物産の総合商社2社だ。
三井物産は2001年にイトーヨーカ堂グループと包括提携。現在はセブン&アイHDに2%弱を出資し物流管理などの後方支援を手掛ける。対する伊藤忠は子会社の食品卸・伊藤忠食品を通じて主力商品を供給。最大手コンビニとのビジネスを何とか拡大しようと、両社は長年熾烈に競争してきた。
セブン‐イレブンの伊藤忠との関係は1973年の創業当初にさかのぼる。当時、イトーヨーカ堂取締役だった鈴木氏がセブン‐イレブンの本家である米サウスランド社とライセンス契約を締結するに当たり、パイプ役を担ったのが伊藤忠だ。
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