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よみがえるガリバー 野村「一強」の落とし穴 「世界のノムラ」への試練

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国内では独走の野村も、「世界のノムラ」はまだ見果てぬ夢。傲慢さが芽生えれば再び転落しかねない。

国内では他の証券会社を寄せ付けず、独り勝ち状態。気を緩めれば、傲慢さが頭をもたげる(ロイター/アフロ)

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野村ホールディングスが毎年恒例のインベスター・デイ(機関投資家参加の戦略説明会)を開催したのは5月28日のことだった。2015年3月期の良好な決算内容を踏まえて、野村のテンションはさすがに高いに違いない。そう思って参加した者は肩透かしを食らった。壇上の吉川淳・同グループCOO(最高執行責任者)がクールな姿勢に終始したからだ。

「もちろん、市場環境の改善が大きな追い風になっています」

吉川氏は白髪の長身の紳士である。「エネルギッシュ」という証券マンのイメージから程遠いムードを漂わす。静かな話術は、聞いている側からいつの間にかスーッと力を奪い取ってしまうほどだ。

吉川氏の力量に社内が感嘆した事件がある。01年に米ニューヨークで発生した9・11テロのときのエピソードだ。野村のニューヨーク拠点はテロの標的になったワールドトレードセンタービルの間近にあった。もちろん野村の被害は甚大だった。

混乱のさなか、現地のヘッドとしてBCP(事業継続計画)の陣頭指揮を執ったのが吉川氏。氏の采配の下、バックアップ拠点のニュージャージーで翌日には業務を再開していた。当時の作業を吉川氏が記録した社外秘のBCPリポートがあり、そのリポートに目を通した野村の元幹部は吉川氏の仕事ぶりに「冷静沈着」と賛辞を惜しまない。

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