次々と新商品、新サービスを打ち出した、「大和のDNA」が繰り出す野村追撃策。
ガリバーの野村ホールディングスに対抗できるのはどこか──。この問いに対する答えとして、最も多いのは大和証券グループ本社に違いない。同じ独立系証券会社として、長い戦いの歴史を刻んできたからだ。だが、近年まで大和の敵はほかにもあった。厳しい経営環境である。むしろ、こちらのほうが強敵だったともいえる。
近年、大和が直面した最大の困難は、住友銀行(現・三井住友フィナンシャルグループ)との合弁提携(1998年)とその解消(2009年)だった。生き残りを懸けて同行と投資銀行業務の合弁会社「大和証券SBキャピタル・マーケッツ」(後年、大和証券エスエムビーシーに)を設立したものの、開始から約10年で大和は提携解消に転じた。提携継続を求める銀行を袖にして大和は独立系証券への回帰を選んだ。
しかし、大和にとってその代償は決して軽くなかった。まず、提携解消の反動と経営環境の厳しさから、11年、12年と2期連続の最終赤字に転落した。そのままの状態が続けば、銀行は大和に対する信用格付けを引き下げ、格付会社の格付けも悪化する。場合によっては、資金調達に支障を来す可能性もあった。
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