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ゆうちょ上場で塗り替えられる証券勢力図 4兆円投信市場を狙え

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右手で握手をしつつ左手で殴り合い。ゆうちょと証券各社による個人マネー争奪戦。

地銀との連携について言葉を濁す西室社長。大規模提携のうわさも飛び交う(撮影:今井康一)

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東証1部の時価総額が史上初めて600兆円を超えるなど株式市場は活況が続いている。一見すると無風の証券業界だが、今秋に予想される日本郵政グループ3社の株式上場をきっかけに、パワーバランスが大きく変化する可能性がある。波乱要因の一つは上場前の株式販売競争であり、もう一つはゆうちょ銀行の収益追求路線である。

日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が同時上場する。1998年のNTTドコモ(上場時の時価総額9兆8000億円)以来の大規模IPOだけに、営業活動の過熱が予想される。最速で今年8月に東証が上場を承認し、9月にも東証1部市場で売買が始まる。

「特定郵便局長を狙え」。複数の証券会社で、営業担当役員が現場に指示を飛ばしている。

詳細な上場スキームは未定だが、日本郵政グループが上場前の株式売り出しで、機関投資家に加えて特定郵便局長個人にも株式を割り当てる公算が大きい。特定郵便局長に食い込んでおけば、上場後に売却注文を受け、売却代金の運用も任されるチャンスが出てくる。地域の名士である特定郵便局長に、郵政グループ株の購入を希望する顧客を紹介してもらえる可能性もある。証券会社の営業部門にとって、郵政グループ上場は新規資金を獲得する絶好の機会なのだ。

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