激しい競争を繰り広げてきたネット証券。市場が成熟化しつつある中、新たな成長の道はあるか。
「当社が断トツになった。もうネット証券各社との競争は終結した」
今年3月に開かれたSBIホールディングスの会社説明会。北尾吉孝社長が発したこんな“勝利宣言”がネット証券業界に波紋を呼んだ。
「顧客基盤、個人株式委託売買代金シェア、収益力において、他社との格差は広がる一方だ。ネットビジネスの世界によくある“ウィナー・テイクス・オール”の原則がネット証券の競争にもちゃんと適用されている」(北尾社長)
アベノミクスによる活況の一服や株式の配当・譲渡益の軽減税率廃止などにより、2014年度の個人株式売買代金は前年度比23%も減少した。SBI証券はそれでも増収増益だった。個人の株式委託売買代金シェアも38.1%(15年3月期)と前年同期より伸ばし、業界首位を独走する。預かり資産や口座数においても圧倒的な差をつけたと北尾社長は誇らしげに語っている。
そして5月に行われた決算説明会。北尾社長はさらに一歩踏み込んだ。最大手の野村証券、大和証券の2社と比べたうえで「口座数ではもう大和を超えようとしている。今後、高齢者が市場から退出し、逆にネットに親しんだ若い人がどんどん資産を増やしていけば、当社はさらに時流に乗る。いずれ野村も追い抜く」と意気軒高だ。
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