”ミスターGT-R”が選んだ意外な新天地

ゴーン社長が全幅の信頼を寄せた男

12月12日の会見で華創の経営幹部らとともに姿を見せた水野和敏氏(写真左)

”ミスターGT-R”と呼ばれたトップエンジニアが選んだ新天地は台湾の自動車メーカーだった。

複数の自動車メーカーを持つ台湾の裕隆グループ。その傘下で自動車エンジニアリング会社の華創車電技術中心(ハイテック)は12月12日、日本法人・華創日本(ハイテックジャパン)の発足説明会を都内で開いた。そこに日本法人のCOO(最高執行責任者)及び華創車電の副社長として現れたのが、元日産自動車のエンジニアである水野和敏氏だった。

経営危機の淵からV字回復を成し遂げた日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、開発が中止状態だった「日産GT-R」の復活を対外的に宣言したのは2001年のこと。それから2年後、全権委任という破格の条件で開発責任者に指名されたのが、水野氏だ。

ゴーン社長から手を握って頼まれた

当時、ゴーン社長は彼の手を握ってこう語りかけた。「全権を任せる。私が社内を統一するから、お前が”ミスターGT-R”になれ」。水野氏は1972年の入社以来、日産一筋で車両全体のパッケージング設計を専門としてきた。レース部門に出向し、監督を務めた経験もある。その後、車両開発主管兼チーフ・プロダクト・スペシャリストとなり、退社したのは13年。関係者の間では去就が注目されていた。

そして今回、明らかになったのが台湾メーカーへの転身だ。国内外に自動車メーカーが数多くある中、なぜ台湾に目を向けたのか。水野氏は、自動車市場の現状と「開発圏」というエンジニアらしい着眼点から、その理由を会見で語った。

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佐藤優氏の連載「知の技法 出世の作法」第613回の題材は、カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡事件です。ゴーン氏にしてみれば逃亡を選択したのは合理的な判断で、問題は日本の出入国管理が突破されたことにあると指摘しました。