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「一帯一路」構想は朝貢外交の再来か 中華思想の遺伝子

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中国が「一帯一路(いったいいちろ)」という新しい外交政策を始めた。

中国西部から中央アジアを経由して欧州につながる「シルクロード経済ベルト」(「一帯」)と、中国沿岸部から東南アジア、インド、アラビア半島、アフリカ東岸の沿岸部を結ぶ「21世紀の海のシルクロード」(「一路」)の二つのゾーンを指し、それぞれの地域で交通インフラの整備や貿易など経済関係の強化を図るものだ。

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中国が2013年にこの政策を初めて提唱したのには、いくつかの背景を指摘できる。米国の「東アジア回帰」政策に対抗する必要があると判断したことや、中国外交が重視する「核心的利益」を強硬に主張するあまり周辺国の対中脅威感を募らせてしまった、という反省である。

その考え方は13年11月に習近平・中国共産党総書記が公表した「周辺外交講話」にまとめられている。この講話は隣国との関係をよくし、隣国とむつまじくし、隣国を安心させ、富ませて包容する「親・誠・恵・容」を基本方針とする。そして、「地域全体の発展と『中国夢』を結び付け、運命共同体の意識を周辺国家に根付かせる」とうたう。

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