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都市集中は本当に悪いか? Q5 経済学×地方消滅

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東北の震災復興でもコンパクトシティ構想が浮上中だ(Natsuki Sakai/アフロ)

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2040年までに896の地方市町村が消滅する可能性がある──。

昨年、こんな大胆な予測が話題を呼んだ。少子高齢化に伴う地方の消滅、大都市への人口集中が今、あらためて社会問題となっている。

それは地方から雇用を奪い、過疎化に拍車をかける。国全体の経済をも衰えさせると考えられがちだ。

しかし経済学者はこうした見方には賛同しない。大都市に人口を寄せ集めたほうが国の経済は活性化する。都市集中はむしろ、積極的に推進すべき「成長戦略」であると強調してきた。

経済学者は古く19世紀から集積のメリットを主張している。その端緒を開いたアルフレッド・マーシャルは、経験豊富な労働者が集まると企業立地が促進される効果や、立地企業が開発したさまざまなノウハウ・技術が周辺企業に波及する「スピルオーバー効果」を指摘した。

100年以上経った今も、この見方は根強い説得力を持っている。

10年に発表された実証研究によれば、その業界の発明活動が行われている場所に地理的に近いほうが企業は生産的であることが示された。米国の製造業を対象に特許データなどを分析した結果、発明の中心地から500キロメートル以上離れると、技術的なスピルオーバー効果は急速に減衰していくことがわかった。

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