有料会員限定

今こそマルクス、スミスに向き合おう! [誌上講義] 小暮太一 経済ジャーナリスト

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小

経済学の古典には資本主義社会を知る要素が詰まっている

経済学の古典には資本主義社会を知る要素が詰まっている

アダム・スミスの『国富論』、カール・マルクスの『資本論』。経済学で知っておきたい2冊の古典だ。現代のビジネスパーソンはこの大著をどう読むべきか。多くの経済入門書を手掛けてきたジャーナリストの木暮太一氏が解説する。

こぐれ・たいち●経済ジャーナリスト。1977年生まれ。慶応義塾大学卒業後、複数の企業を経て独立。『超入門 資本論』など入門・解説書多数。(撮影:尾形文繁)

特集「ピケティで始める経済学」の他の記事を読む

スミスといえば「見えざる手」で有名な経済学の父だ。しかし彼の経済思想がどのようなものであったかについて正しく理解している人は驚くほど少ない。

スミスと聞くと、私利私欲の追求をあおり、格差・貧困を放置したと考える人もいる。これがいかに間違った理解かは、彼の経済思想の体系を押さえると、一目瞭然となる。

国富論 1 (岩波文庫 白105-1)
国富論 1 (岩波文庫 白105-1)(岩波書店/446ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

『国富論』は正確には『諸国民の富の性質と原因の研究』という題で、1776年に刊行された。

当時の英国は国民の約1割が「超」のつくほどの貧困層。圧倒的なモノ不足の中、貧困をなくし幸福に生きる道を探るのが目的だった。

スミスは富(同書では必需品を指す)の生産を増やす要素として分業と資本蓄積を重視した。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
ピケティで始める経済学
最新のセオリーや分析が駆使されるが…
石橋湛山の経済学
Q8 経済学×開発
Q7 経済学×幸福
Q6 経済学×自己啓発
Q5 経済学×地方消滅
Q4 経済学×競り
Q3 経済学×ピザ配達
Q2 経済学×価格戦略
Q1 経済学×会社
Part2 ピケティから開く知のトビラ
[誌上講義] 小暮太一 経済ジャーナリスト
[INTERVIEW] ポスト「ピケティ本」の最右翼
世界的な累進資本課税をめぐる異論、反論
ピケティが指南!
[INTERVIEW] 哲学者が見たピケティ
主流派からマルキシストまで
経済学説はどのように変化してきたか
世界が答えを求めている
20分で全エッセンスを把握
異端か、正統か
ピケティは
Part1 目指せ! ピケティ完全理解
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内