有料会員限定

鳴りやまぬピケティ批判 主流派からマルキシストまで

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 最新
拡大
縮小

世界的な論争を巻き起こしたピケティ。『21世紀の資本』のどこが争点となっているのか。批判者の声に耳を傾けてみよう。

アラン・グリーンスパン
元米連邦準備制度理事会議長

(撮影:尾形文繁)

特集「ピケティで始める経済学」の他の記事を読む

システムが非常に複雑化しているとはいえ、生活レベルを向上させるのは経済に占める資産や富のシェアが拡大したときだ。(米国外交評議会講演にて〈2014年5月7日〉)

【解説】「マエストロ」がピケティにかみついた。米外交評議会の講演で「ピケティが世界的な資本課税を提言していることについてのあなたの見方は?」との問いに、即座に「それは資本主義ではない」と拒否反応。所得格差が緩やかに広がっているのは事実だが、急速な技術変化にうまくついていけない人たちが出ているためだとの見解を示した。

米国のリバタリアニズム(自由至上主義)の思想家アイン・ランドを信奉するグリーンスパン。やはり、ピケティとは肌が合わないらしい。

 

タイラー・コーエン
ジョージメイソン大学教授

(Getty Images)

ピケティは累進的な資本課税は労働意欲に打撃を与えないと主張している。しかし、そうした課税は長期的には人的資本と新ビジネス創出への投資を減少させる。資本収益に関する彼の議論が示唆する重要な意味も認識していないようだ。ピケティが主張するように収益の減少を回避できるほど資本が機動的でダイナミックなら、富裕層の富は課税を回避できるだろう。政府は富裕層を締め上げてもうまくいかないと考え、税収の対象を別のところに求めなくてはならなくなる。(米『フォーリンアフェアーズ』2014年5・6月号)

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
ピケティで始める経済学
最新のセオリーや分析が駆使されるが…
石橋湛山の経済学
Q8 経済学×開発
Q7 経済学×幸福
Q6 経済学×自己啓発
Q5 経済学×地方消滅
Q4 経済学×競り
Q3 経済学×ピザ配達
Q2 経済学×価格戦略
Q1 経済学×会社
Part2 ピケティから開く知のトビラ
[誌上講義] 小暮太一 経済ジャーナリスト
[INTERVIEW] ポスト「ピケティ本」の最右翼
世界的な累進資本課税をめぐる異論、反論
ピケティが指南!
[INTERVIEW] 哲学者が見たピケティ
主流派からマルキシストまで
経済学説はどのように変化してきたか
世界が答えを求めている
20分で全エッセンスを把握
異端か、正統か
ピケティは
Part1 目指せ! ピケティ完全理解
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内