ウォルトン家は、実にウォルマート株の49%程度を握る。『米国会社四季報』のデータでざっと計算してみると、ウォルトン家が2014年に手にした配当額は約3335億円(29億ドル)!ウォルマートは41年間、増配を継続している長期増配企業でもある。ウォルトン家の富は、尽きそうにない。
では、2位以下を見て行こう。
2位のマクドナルド、3位のIBMなど、ランキング上位には、誰もが名を知る世界的企業が並ぶ。
その中で、11位のバークシャー・ハサウェイは、名前を知らないという読者もいるかもしれないが、投資家なら誰もが知る著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が会長を務める会社だ。
さまざまな業種の子会社を傘下に持つ「マルチセクター持ち株会社」だが、主力は保険業。
その保険業で集めた資金をもとに他へ投資するというモデルで資金力を高めてきた。
また、26位のHCAホールディングスは、日本ではお目にかかれないタイプの企業だ。60を超える病院と110以上の手術センターを運営する巨大営利病院グループである。18万人を超える従業員がそこで働く。
これだけの規模の営利病院経営がどのようなものなのか、にわかには想像できない。だが、収益を増やすためには当然、患者一人当たりの支払い額を増やす必要があるだろう。ということは、「今期は患者単価を5%高めたため、5%の増収となりました」といったコメントもあり得るのだろうか。法律が変わったとしても、日本では馴染みそうにない。
なお、ランキングの数字については、少し違和感を覚える読者もいるかもしれない。多くの会社で、切りのいい数字となっているからだ。これは、米国企業が提出する年次報告書(10-K、日本の有価証券報告書にあたる)での開示数値が概算値となっていることが多いためだ。(本文中の円換算は、1ドル=115円で計算)
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