浦安市長、「政策重視」のルーツとは? 全国一若い自治体の挑戦(前編)

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(撮影:今井康一)

坂之上:政治とは関係ないおうちで育った。なのに政治少年?

松崎:板橋第六小学校の初代の児童会会長をやったんです。人も好きで、何かがあるとそこへ飛び込んでいくような子どもでしたね。

坂之上:じゃあ、政治家になりたいと思われたのは早いときから?

松崎:いや、そうではないんです。だって、政治家なんて金がかかると思っていますから。大体、地縁血縁で2世政治家が圧倒的でしたので、そもそも選択肢に入らなかった。

坂之上:昔はもっと多かったですね。

高校時代には生徒会長に

松崎:まさか自分が政治の世界に入るなんて、これっぽっちも思っていなかった。ただ、絶えず何かをやっていました。高校時代たまたま日教組の盛んな学校だった。私立(わたくしりつ)なのですが、都教組の中核がその学校の先生だったんです。この先生が生徒を扇動するわけですよ。頭にきて、「学校に政治を持ち込むな!」と対立して生徒会長に立候補した。でも、最初から手を挙げたわけではなくて、実は応援弁士だった。ところが3回で過半数を取れないと無効になっちゃう、全員が。それで2年生で生徒会長に立候補した。しょうがなくて私が出ることになったんです。

坂之上:浦安市長選に立候補した、さっきの話とちょっと似ていますね。

松崎:そうかもしれません。

坂之上:ここでも、もともとは浦安に地縁も血縁もなく、浦安から出るつもりなかったのに。

松崎:そうなんですね。高校では2年生で会長をやってみたら、なんで上級生がいるのに2年生が実権を担わなきゃいけないんだ、と思った。そこでみんなに「やっぱり3年生が生徒会長をやるべきだ」と提案したので、2年間やることになりました。

坂之上:あ、なるほど。3年になっても会長をやった。

松崎:受験だなんて言い訳だ、と言ってやったんです。面白かったのは、私のいた高校の選挙では生徒会長しか選ばないんです。

坂之上:あとは自分が指名するんですか。

松崎:普通は副会長も書記もすべて選挙で選ぶじゃないですか。そうじゃない、なんと会長一人なんですよ。

坂之上:独裁政権をつくれる?

松崎:そうです。ですから、政治の色に染まっている社会研究会とかには一銭も予算を付けない。その分、応援団の予算は倍増とか、そういうことを一人で決めていった。それが原点なんだと思いますね、基本的なところでは。

坂之上:現在、浦安市でどのような改革をしているか、ということも想像が出来るエピソードですね。次は本題である「浦安市の良い政策」について伺います。

※ 続きは12月22日(月)に掲載します。

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