鉄鋼の今期業績は価格予想をにらんだ政策的な予想か、いずれ増額の可能性も

新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所と高炉3社の決算発表が終了した。今回の決算の特徴は、3社とも今後の価格交渉をにらんで慎重な見通しを立てていることだ。
 今2005年3月期は、鉄鉱石、原料炭など原料価格の上昇で新日鉄は1700億円、住金700億円、神戸製鋼450億円の減益要因が発生すると想定している。これに対して価格転嫁・数量の構成差による増益要因として、新日鉄は1300億円のプラスを見込んでいるほか、住金、神戸製鋼もそれぞれ600億円、390億円の増益要因を見込んでいる。
 今年3月時点に比べて、合金鉄などの上昇が著しく、新日鉄の場合、200億円ほど原料価格の上昇による減益要因が増えている。その分、価格転嫁が遅れるという想定だが、ポイントは、3社とも価格是正による増益要因の算出に際して、すでに値上げ交渉が決着したものと、現在交渉中のもので相当程度の確率で値上げが実現できるものをプラス要因として見ていること。確率が低そうなもの、今秋にも再値上げ交渉を予定している分は織り込んでいない。
3社の前2004年3月期決算は、値上げが順調に進んだため今年3月の業績見通し修正時点の予想を上回る好決算となったが、今期も価格重視の姿勢に変わりはない。今後、中国経済の減速など突発的な出来事がない限り、 今期も増額となる可能性が高そうだ。
【野口 晃記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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