子どもが小さいうちは単身赴任を避けよう 夫のもとへ行き、家族で住んだほうがいい

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いつもスカイプや電話で連絡は密にとっているそうですが、やはりお互いのその時のご機嫌や顔色をみて会話を交わすのとでは違います。同居しても週末以外は一緒に過ごせないそうですが、父子にとってそれでも毎日、同じ家で生活する意味は大きいと思います。

(私がこのように書きますと必ず、諸事情で家族が別居しておられる方や、全寮制に子供さんをいれたご家族などから、わが家はまったく問題はなかったとか、かえって絆が強まっていると、私が言及できなかった視点からのご指摘を受けます。今回はシングルで育てている人は救いようがないと言っているわけではありません。コラム欄の文字数に制限がありますため、あらゆる事情や条件のケースについて触れられないだけで、どなたにとっても絶対こうでなければいけないとは言っていませんので、その旨ご了承ください)

麻井様の場合は、麻井様が泣く泣く仕事をあきらめても、買ったばかりの家から離れても、経済的には問題がないお宅だと拝察しました。夫君の転勤先で同居するのにいちばんネックになっているのが、受験戦争に参戦する際の学習レベルや就職先の選択肢の多寡ということでしたら、私は地方で家族が同居して暮らす方をお勧めしたいです。

どうしても受験勉強は東京でというのでしたら、本格的に参戦するのにまだ4~5年あります。それまででも一度、地方で家族一緒に住んでみるのはどうですか。ママ・パパが作った料理を甘い辛いと言って毎日同じものを食べ、その地方にしかない食べ物を味わい、その地方の人々や、そこに伝わる伝承や風習と触れあう体験を積む絶好のチャンスです。家族思いの夫君にとっても、この方がはるかに良い環境です。

家族の機嫌が悪いときのお互いの距離の取り方や話し方のさじ加減を、失敗を重ねながら経験として学んだりする日常が、スカイプや電話で繋がることとは比較にならないものであることを、実感されることでしょう。

親子同居もせいぜい20年。別居するのはもったいない

数年前ですが、夫が定年退職されたばかりという主婦の方が、新聞の投稿欄に投稿された文章を思い出します。40年近く、ずっと夫君が単身赴任で別居生活をした人です。

「自分たち夫婦は人生の大半を、自分たちの意思ではなく別居を余儀なくされた。会社といえど、そんな権利があるのか? 誰にそんな人生を強いられたのか、誰を恨めばいいのかわからないほど悔しいし、もったいない年月だった」という風な内容でした。

定年退職離婚が話題になるご時勢ですから、「別居が長かったからそんな感想が持てるのだ」ってどこかから聞こえてきそうですが、麻井様の場合は、貴女の今の仕事をあきらめても、同居する価値は十分にあると思います。

地方で暮らすのも、子供にとって良い経験ですし、東京しか知らずに育つより、ずっと多くの体験と学びがあるはずです。私なら迷わず家族同居を選びます。親子一緒に暮らすのもせいぜい20年なのですから。 

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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