プロ格闘家でも逃れられない「学歴」の壁

静岡県警を2カ月で辞めた早大卒の青木真也が語る

常見 なるほど。それは二層構造になっている日本の「シングルマザー問題」と似ていますね。一つの層は高学歴同士で結婚し、離婚してしまったケース。パートナーから慰謝料は取れるし、学歴も職歴もあります。

もう一つの層は中卒・高卒の「ヤンママ」のケース。彼女たちは早くに「できちゃった婚」をしたものの別れてしまい、学歴もなければ、手に職もない状態です。これはまさに青木さんが指摘された格闘家の方のケースと似ていて、辞めたものの「学歴もスキルもない」状態です。非正規雇用者の率を見ても、男性よりも女性が多いですし、最終学歴が低いという人の方が多いです。

ところで、青木さん、要するに、成功しなかった格闘家の人生は厳しいということですか?

青木 いえ、一概にそうと言えません。「中卒・高卒」は学歴がない分、生きていくことにおいて「タフ」なのです。裸一貫で生きている自覚があって、人生において「怖さ」がないのです。「矢でも鉄砲でも持ってこい!何でもやるよ!」という心構えですし、「内臓?売るよ」ぐらいに肝が据わっていますね(笑)。

青木真也は、東洋経済の年収ランキングを読んでいる

常見 そんな「中卒・高卒」の恐れ知らずの猛者だらけの格闘技界において、青木さんは「大卒」ですよね。「大卒」ならではの悩みはありますか。

青木 「大卒」でしかも、早稲田の柔道部だったので、その時の友人は一流企業に勤めている人が多いです。

常見 青木さんは「大卒」で、しかも早稲田でしょ。レベルもラベルも高い(笑)。教育社会学では「タテの学歴」と呼ばれる最終学歴、「ヨコの学歴」と呼ばれる「どの学校を出たか」というものがあるのですが、両方、エリートじゃないですか。

青木 早稲田は確かにエリート校ですが、僕は「寝技」で進学したので、「寝技エリート」ですね(笑)。

常見 早稲田の柔道部ならば、一流企業に就職して、かなり良いお給料をもらっているのではないですか。

青木 確かにたまに連絡をとると、社内でもいいポジションにいる友人は多いです。僕も同期の「年収」の面は気になっていて、東洋経済オンラインのランキング記事「『生涯給料』トップ500社」で友人の企業を見て、「これには絶対に負けられない!!」と思っています(笑)。

常見 見られているのですか(笑)。フリーランスならば誰しもが抱く、同期へのライバル心を青木さんも感じられているのですね。

青木 別に収入があったからといって、何かに使うわけではないのですが、生涯年収ランキングを見ながら、切迫感を抱いて「やりがいも年収も負けたくない!」と常々思っています。

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