(産業天気図・海運)中国の”爆発”を享受。コンテナ船、貨物船とも空前の大ブーム

海運業界は30年に1度、50年に1度の大ブームのただ中にある。郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社はもちろん、中堅も含め、2003年度決算は軒並み史上最高益を更新し、04年度も最高益の連続更新はほぼ確実だ。好決算を背景に増配会社が相次いでいる。
 好決算の第1の要因は、長く業績の足を引っ張ってきたコンテナ船部門の黒字化。中国が「世界の工場」に成長したことに伴い、アジア−北米、アジア−欧州の荷動きがともに活発化。北米向け運賃で前年比20%、欧州向けで同50%近い値上げが実現した。大手各社のコンテナ船部門の収支は200億円前後の改善を見た模様である。
 第2の要因は、バラ積み貨物船の市況高騰。とりわけ大型の鉄鋼原料船(ケープサイズ)の市況は歴史的ピークが3万ドルなのに、昨年末から年初にかけ限りなく10万ドルに接近した。この背景にあるのは、鉄鉱石・石炭に対する中国の需要の”爆発”だ。中国の製品輸出がコンテナ市況を押し上げ、原料輸入が貨物船市況を噴き上げさせたわけだ。
 ただし、市況の高騰があまりに急激だったため、海運会社が調達する借船料が契約運賃を上回る”逆ざや”が一部に発生した。が、年明けからはこの貨物船の逆ざやも解消に向かい、2004年度は市況高をフルに享受することになる。
 市況高騰を受け、郵船は7000億円、商船三井は1.1兆円という巨大投資を実施するが、世界的にも新造船が大挙市場に登場するのは2006年度以降。2005年度までは「我が世の春」が続くというのが、業界の見方の大勢になっている。
【梅沢正邦記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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