生誕120年、「松下幸之助」とは何だったのか

今でも色あせない「ひとことの力」

江口克彦氏

2014年11月27日は、松下幸之助の120年目の誕生日だった。120年というのは大きな節目であり、これを機に今一度、日本を代表する「経営の神様」とは、どのような存在なのか、振り返り、噛みしめる好機だろう。

過去数年、幸之助への評価は下がっているように思う。現在のパナソニックの経営状態、あるいは松下政経塾OB政治家への評価などと絡めて振り返ることが多くなったためだ。いわく「幸之助は100年、200年残るものを目指して経営をしていたというが、大したことはなかった」「本物の政治家を育てるとして政経塾をつくったはずなのに、あそこからそういう政治家は生まれただろうか」という厳しい見方だ。一言でいえば、過小評価が広がっているように思う。

しかし、現状からの振り返りで過去を見るのは、必ずしも適切ではない。幸之助の哲学が、次代の日本を担う経営者に引き継がれないのだとしたら、大きな不幸だ。

反響の大きい「珠玉の言葉」

そう考えて、東洋経済オンラインでは、長く側近として仕えた江口克彦さんに連載をお願いしている。毎週木曜日に掲載している「松下幸之助の珠玉の言葉」だ。当初は、「オンラインにしては堅すぎるのではないか」「もっと柔らかいネタでなければ読まれない、週刊誌向きだ」とも思っていたのだが、フタを開ければ驚くほどのページビュー。毎回、ツイッターやフェイスブックでジワジワと拡散しており、独特の読まれ方をしている連載だ。

東洋経済オンラインの読者は本物を見極める力を持っており勝手な先入観を持ってはいけない、というのが今回の反省。この連載から発展した書籍も刊行(12月4日発売)するので、ぜひ注目してほしい。

さて今日は、2日前の木曜日に生誕120年を迎えた幸之助を振り返るーーということで特別企画。2008年の年末、全盛期の松下電器産業を技術のトップとしてけん引した水野博之さんのご自宅にお邪魔した。そこで伺った話をまとめた週刊東洋経済のインタビュー記事を再掲したい。

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