創業1444年!世界最古の企業「金剛組」長寿の秘密 「潰せば大阪の恥」とまで言われる技術力

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世界最古の企業「金剛組」の創業は、飛鳥時代までさかのぼります(写真:JACK SWING/PIXTA)
世界最古の企業の創業は、聖徳太子の時代までさかのぼる。寺院建設のために設立された大工集団、金剛組だ。なんと現在の当主は41代目を数えるほど、1000年を超える長い歴史を生き延びてきた。
その理由は、圧倒的な技術力と歴代経営者たちの器にある。さらにそれらをもとに得た信用という財産もある。詳しい歴史を『何があっても潰れない会社』から抜粋する形で追ってみよう。

飛鳥時代、百済から渡来した工匠が創業

日本には歴史の古い企業が多いが、世界で一番古い企業が日本にあることをご存じだろうか。世界で一番古い会社といわれているのは、大阪で社寺建築を手掛ける金剛組だ。創業が578年なので、1400年以上も続いている。

金剛家には今に伝わる系図がある。歴代当主の名前と業績が書かれていて、広げると3メートル以上になるという。

金剛家によると、聖徳太子は四天王寺を建立するため578年に朝鮮半島の百済から「金剛」「早水」「永路」という3人の工匠を日本に招聘した。その一人「金剛」が金剛組初代の金剛重光だ。当時の日本には本格的な寺院を建築できる技術者がいなかったため、仏教の先進国であった百済から技術者を呼び寄せた。

四天王寺は日本初の官立寺院だ。538年の仏教伝来からそれほど年月が経過していないころであり、豪族が私的に建立した寺院はあっても、国家事業として寺院が建てられるのは初めてのことだった。

『日本書紀』によれば、親仏教派の蘇我氏と反仏教派の物部氏が武力衝突した際に、蘇我氏に従軍していた厩戸皇子(後の聖徳太子)は仏教の守護神である四天王の像を彫り、「もし、この戦いに勝利したら四天王を安置する寺院を建立する」と願いを立てたという。その戦いは蘇我氏の勝利となり、聖徳太子は四天王寺の建設に本格的にとりかかる。

五重塔や金堂といった四天王寺の主要部分が完成したのが593年。寺院建築の技術者はとても貴重な存在だったので、その後、「早水」と「永路」はそれぞれ大和(奈良県)と山城(京都府)へ移住して、さまざまな寺院の建立に貢献したようだ。現存する世界最古の木造建築である法隆寺の創建にも関与したという説があるが、「早水」と「永路」のその後に関する記録は残っていない。

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