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課長が「一国一城の主」として動く老舗の凄い底力 難事を切り抜ける判断力はこうして培われた

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  • 田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員
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新型コロナウイルスが世界的流行へと発展しつつあった当初、瀧定名古屋では海外からの仕入れが一時的に止まることを見越していた。そこであらかじめ厚めに在庫を確保したが、実際には市場そのものがグローバル規模で止まってしまった。

つまり「在庫はあるが売れない」という状況だ。この想定外の事態からいかに抜け出すかが懸案となるなか、ある前向きな発見があったという。

それは、上海やアムステルダムなどの海外拠点が自立的に動けるようになったことだ。

従来は日本の本社から各海外拠点に出張して物事を決めたり指示を出したりしていた。ところが、世界各地のロックダウンにより「人」の移動が制限されたため、海外拠点の権限を拡大し、現地社員の判断で事業を進められるようにした。

結果的に、本社の出張費は3分の1程度に圧縮された一方、海外拠点と本社、海外拠点と海外拠点の密な連携体制が築かれたという。もちろんすべてオンラインで行われる。

パンデミックという未曾有の危機に際し、「自らの判断で成果を出せる自立的な海外事業部」という可能性が見出された。リーマンショック後に力を注いだ海外戦略の強化が、また新たな実を結ぼうとしているというわけだ。

瀧定名古屋は、自身の強みとしてこうした自立的な海外事業部の機能を、改めて育てていく方針であるという。

課長が一国一城の主となる「課別独立採算制」

本来であれば、本社の出先機関であるはずの海外事業部に権限を与えたというのは、もともと瀧定が「課別独立採算制」をとってきたことと無関係ではないだろう。1つの課が担っている事業に伴う権限は、その課の課長に属する。さながら「一国一城の主」である。

高度経済成長で市場が拡大していたころには、1つの課の規模が大きくなるごとに分割していたという。その結果、同じような事業を担う課が並列していた。しかし、市場が縮小している現在においては、そうした細胞分裂のようなかたちではなく、特徴の異なる多様な課が独立独歩で事業を行っている。

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【「課別独立採算制」】

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