大阪新駅、工事中に「駅名標」設置した納得の理由 「イノベーションの実験場」として2023年春開業

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大阪駅地下で建設中の新駅に掲げられた駅名標(記者撮影)
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今から1年後、2023年3月に大阪駅が変わる。現在同駅の地下で建設中の新駅が開業し、そこに特急列車などが乗り入れる。工事の事業主体であるJR西日本が3月3日、新駅の建設現場を報道陣に公開した。

この地下駅は大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」の地下に設置されることから関係者の間では「うめきた新駅」と呼ばれている。だが、完成後は新駅ではなく大阪駅の一部として運用される。

新駅は環状線ホームから300m

ターミナル駅にできる地下の「新駅」といえば、関東の人なら京葉線が乗り入れる東京駅の地下ホームを連想するかもしれないが、JR西日本の担当者に言わせれば、「そこまで離れていない」。新駅から大阪環状線が乗り入れる「1〜2番のりば」までの距離はおよそ300m。新たに設けられる通路を使って8分程度で移動できるという。これに対して、『JR時刻表』(交通新聞社)によれば京葉線と新幹線の標準的な乗り換え時間は20分だ。

新駅の最大のメリットは大阪駅と関西国際空港のアクセスが改善することだ。これまで大阪―関西空港間の所要時間は最速でも64分だったが、特急「はるか」が新駅に乗り入れることにより平均48分に短縮される。和歌山方面と京都・新大阪を結ぶ特急「くろしお」のほか、おおさか東線など一部在来線の乗り入れも計画されている。さらに、2031年春開業予定のなにわ筋線の乗り入れも予定されており、開業すれば大阪―関西空港間の所要時間は平均44分とさらに短くなる。

新駅は躯体などの土木工事を中心に8割方完成しているという。今後はホームドアを含む設備や電気、信号の工事などを進める計画だ。

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