大阪新駅、工事中に「駅名標」設置した納得の理由 「イノベーションの実験場」として2023年春開業

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JR西日本の案内で地下の工事現場に降りた。地下1階は広大なコンコースだ。スペースがもったいないくらいがらんとしているが、開業後にはさまざまな設備が設置されるほか、キオスクやコンビニなどが出店する可能性もあるため、「さほど広く感じないのではないか」という。

コンコースの下の地下2階には2面4線のホームが並ぶ。レールは据え付け済みで、列車がやってきてもおかしくない雰囲気を漂わせているが、「あくまで仮置き」とのこと。ホームの壁はコンクリートがむきだしのままで化粧板は貼られていない。にもかかわらず、「大阪駅」と書かれた駅名標はしっかりと据え付けられていた。仮置きのレールでは列車は進入できないはずなのに、なぜ駅名標が早くも据え付けられているのだろうか。

駅名標で「大阪駅を造っている」実感

駅名標をよく見ると、前後の駅を示す場所には「清水建設」「大鉄工業」という文字があった。つまり、この駅名標は本物でないということだ。「見学者向けに見栄えをよくするために貼ったのですか」とJR西日本の担当者に尋ねてみたら、もっと深い答えが返ってきた。「ここで働いている人が、自分たちが何を造っているのかを認識するために設置したものなのです」。

この駅名標は駅の工事を担当する清水建設とJR西日本グループの大鉄工業のJVが作業員のモチベーションアップのために設置した。殺風景な建設現場ではあるが、駅名標があれば、「自分たちは大阪駅を造っている」ということが実感できる。それがモチベーションを向上させ、ひいては作業時における安全意識を高めることにもつながる。

言われてみれば、駅名標だけではなく、コンコース階の階段にも「難波・天王寺・関西空港方面」と書かれた案内板が設置されていた。階段やエスカレーターが完成していない段階で案内板を設置したのは、自分がどこで何をやっているのかがわかるようにするためだという。

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