ナダル「人生に無駄なことはない」と断言する理由 「やりたいことは全部やったほうがいい」
――本を書く過程でご自分の人生を改めて振り返ることになったと思うんですが、それをやってみた感想はいかがですか?
結局、真面目に育てられたので、真面目な部分もめっちゃ出ているなと思います。タイトルでは「いい人でいる必要なんてない」って言っているんですけど、振り返るたびに「これ、タイトルと違うことになってないか? 大丈夫か?」みたいなのはありました。でも、担当の方に相談したら「それも人間じゃないですか」と言ってくれて、助かったという感じですね。
「あっ、俺、これやってるな」
――子供の頃は家でお笑い番組を見せてもらえなかったそうですが、芸人としての今のキャラクターはお笑いの世界に入ってから身につけたものだったんですか?
でも、ほんまのこと言うと、芸人になる前に狩野英孝さんをテレビで見たときに「あっ、俺、これやってるな」って思ったんです。もともと僕は正義感が強くて、人の悪いところを注意したりしていたんです。でも、それで友達がどんどんいなくなってしまったので、大学生ぐらいからは「いかに人に下に見られるか」という技術を磨いていったんです。
しょうもないやつみたいに振る舞って、しゃべりかけやすいような空気を出すようにしました。そうすると、僕が仕掛けているわけじゃないですけど、みんなが僕のことを面白いと言ってくれるようになったんです。似たような感じで芸人にイジられている狩野さんをテレビで見て「僕でもいけるかも」と思った部分はあったかもしれないです。
――今では狩野さんとも少し違う独特のキャラクターを確立されていますよね。
僕はもともとは真面目なので「このぐらい図太いやつになれたら良かったな」と思っていたことを、芸人としてのキャラクターに投影して演じているようなところはありますね。
――なるほど。「クズ芸人」としてのナダルさんは、ご自身がなりたかった自分の姿でもあると。
僕もプライベートではこんなにできないですけど、人に本音が言えなくてしんどい思いをしている人もいると思うので、そういう人がちょっと楽になれたらな、という感じはあります。
――今後は漫才やコントをしっかりやっていきたいというお気持ちがあるそうですが、「クズ芸人」のキャラクターが広まることで、ネタを見せるのに支障が出ることはないですか?
西野はそれを気にしていたときもあったんですけど、それでウケが減っているかというと、そういうことはないですからね。特にコントは役柄を演じているので、あんまり関係ないんですよね。あとはやっぱり、圧倒的な演技力(笑)。先輩方にも「めっちゃ上手いな」と言っていただけたりしたので、そこは自信があります。ただイジられるキャラだけじゃなくて、ちゃんとネタもやってるっていうのは、だいぶ気持ちに余裕を持っていられますね。
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