今後の日経平均株価は一体どこまで上昇するのか 流れは明らかによい方向へと変わってきた
大発会2万9301円でスタートした今年の日経平均は、上記でも触れたとおり、3月9日には2万4717円にまで下落。市場は一時、弱気一色となった。
この時点での日経平均の移動平均乖離率は、一番近い25日移動平均線ですら、下方乖離率がなんと7.5%に達していた。25日移動平均線の上に位置する次の75日移動平均線では11.2%、さらにその上の200日移動平均線は12.9%となり、それらの3つの合計である「総合乖離」は-31.6%となった。
これもつねに指摘しているが、移動平均は言わば平均売買コストでもあり、これだけ下方乖離ができてしまうことは、すべての買い方に大きな評価損が出ていることを意味する。投資家の多くが絶望的になったことは、容易に想像できる。
この下げの需給的要因がウクライナ危機による「リスクオフ」での外国人投資家の売りだったことは、前述のとおりだ。だが、絶望が市場を覆っている中で、このところの急激な上昇によって3月中に一気に乖離を埋める可能性が出てこようとは、いったい誰が想像しただろうか。
明らかに流れが変わってきた
18日現在、25日移動平均線に対してはすでに7.5%の下方乖離を埋めて、逆に2%を超す「上方乖離」に転換している。同日のシカゴの日経平均先物(6月限円建て)の終値は2万7110円で帰ってきた。
配当落ちの240円(予想)分を加えると、実質2万7350円程度となり、3連休明けの22日以降には75日移動平均(推定値2万7400円台)や、200日移動平均(推定値2万8200円台)への挑戦が期待される。明らかに流れが変わったといえるのではないか。
さて、今週の市場は、もちろんウクライナ情勢が波乱要因である。だが、筆者は24日の仏・独・ユーロ圏・英・そしてアメリカの順で発表される3月のPMI(購買担当者景気指数)速報値に注目している。欧州経済を担う現場の購買担当者がウクライナ戦争の影響をどう考えているかをしっかり見たい。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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