今後の日経平均株価は一体どこまで上昇するのか 流れは明らかによい方向へと変わってきた
だが、ようやく深刻な状況に気づいたのか、中国国務院(政府)の金融安定発展委員会が「市場に有利な政策を積極的に打ち出す」と明確な方針を示したことで、ハンセン指数は16日に前日比9%、17日に同7%を超す大幅な上げとなった。本欄でも何度か取り上げたが、「12%の法則」で見ると、明確な「底入れ」となった。
黒田総裁の会見もプラス材料に
アメリカの金融当局は利上げを決定したが、一方、18日の日本銀行金融政策決定会合では大規模緩和策の維持が決まった。短期の政策金利0.1%、長期ではゼロ%に誘導するイールドカーブ・コントロール方針の据え置き。国債については上限を設けず、ETF(上場投資信託)は12兆円、REIT(不動産投資信託)も1800億円を上限に、必要に応じて買い入れる。
また、コマーシャルペーパーと社債の買い入れは、3月末まで合計残高上限20兆円、4月以降はコロナ前の水準に徐々に戻す方針だ。
国内景気の判断も、現状認識こそ「基調として持ち直している」と、前回の「持ち直しが明確化している」から下方修正したものの、輸出は「基調としては増加を続けている」、設備投資は「持ち直している」、海外経済は「総じて見れば回復している」、企業収益は「全体として改善を続けている」と前向きな見方だった。
多いときには100人を超えていた黒田東彦総裁の記者会見は、今はコロナ対策ということもあり、20人足らずが出ているにすぎない。そのせいなのだろうか、答えるほうの黒田総裁にも少し元気がなかった感じもした。
だが、発言そのものは信頼に足る「軸のブレない会見」だったと思う。この黒田発言によって円安が定着し、株式市場の下支えになったと認識する。
さらに、日本市場を支配していると言っても過言ではない外国人投資家の動向についても、3月第2週の対内証券売買契約(財務省ベース外国人投資家)は1兆0504億円、東証の投資部門別売買状況外国人で見ても9935億円の大量売り越しとなった。
これらでもわかるように、このところの外国人売りはすさまじかった。だが、市場筋によると、おそらく第3週(14~18日)は買い転換したようだ。
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