NECがモバイル通信インフラでグローバル展開を先導《新「本業」で稼ぐ》

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100年無故障の品質で成長するインド需要つかむ

そこで、通信インフラを一切合切手掛けるのではなく、思い切って第3世代の無線通信にターゲットを絞った。しかもコアネットワークではなく端末に近い部分のみ。すると、固定回線で実績のあった各国通信関連省庁とのつながりをたどって、立て続けに英国、東南アジア、中南米と納入が決まる。03年に遠藤信博現社長がパソリンク事業の責任者に就任し、海外開拓を本格化させた。

無線通信の強みは大掛かりなインフラ整備がいらないことだ。パソリンクは、屋外の送受信機と室内用コントロール機器を設置して接続するだけの、シンプルな仕組み。だから、施工は早ければ数時間ですむ。この手軽さが受けた。05年ごろからはインドでの携帯人口急増によって需要も急拡大。この流れをうまくつかまえることができた。

「インドは厳しい市場だが、数量の確保にはうってつけ。何とかチャレンジしてみよう」。遠藤本部長(当時)の読みどおり、価格面の要求は非常に厳しかった。先行するシステム型メーカーのすき間に割り込むためには、どうしても低価格を要求される。要求水準を実現するには、コストは2割、できれば3割削減しないと採算が取れない。設計変更してサイズを小さく軽量化、部品点数も減らし、集積回路も圧縮した。 

それでも長年NTTファミリーとして培われた体質のせいで、手抜きができず品質の低下は許せない。これを逆手に取ってなんと「100年」という信じがたい無故障期間を売り物にした。無線ネットワークはその性質上、有線の敷設しづらい辺境での需要が多い。100年無故障は強力な売りになり、販売は急速に拡大していった。

パソリンクは組み立て型製品なので、2カ月もあればラインの増設は可能。福島工場一カ所で集中生産し、通信容量や周波数帯域、インターフェース条件など多様なバリエーションへの対応もしやすい。短納期対応も重要だ。通常は3~4週間だが、時には明日、というオーダーも舞い込んでくる。そういったユーザー側の要求にも自在に対応できる生産体制を敷いているのも、強みの一つだ。

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