NECがモバイル通信インフラでグローバル展開を先導《新「本業」で稼ぐ》

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 ここでネックとなるのが人材だ。実際の施工は現地の工事会社に依頼することになるが、この手配と教育がなかなか追いつかない。機器単体の基地局設置ばかりでなく、大規模ネットワークの構築もある。

新興事業者からの受注は、フルターンキーといって、ネットワーク設計から稼働開始まですべてを請け負うタイプが多くなっている。いちいち日本からスタッフを派遣していては採算が合わない。

現地スタッフ育成や現地工事会社との提携なども重要な課題だが、そもそもNECに来る人材には、海外で仕事をするという意識が相対的に低いという問題がある。新興国にビジネスの比重が高まっている中で、海外勤務を嫌がっているようではグローバル戦略もおぼつかない。

この意識を改革するため、08年から入社2年目以降の若手を単身海外事業所に送り込む研修システム「GTI」をスタートさせた。パソリンクの単体設置工事のような比較的単純な案件を一人で臨機応変に解決させていくなど、荒療治でもある。

こうした施策を通じて「海外」に対する意識は着実に高まりつつある。無線通信ネットワークという伝統的な技術から、グローバル企業への道筋が見え始めている。

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(小長洋子 =週刊東洋経済2010年11月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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