NECがモバイル通信インフラでグローバル展開を先導《新「本業」で稼ぐ》


 ここでネックとなるのが人材だ。実際の施工は現地の工事会社に依頼することになるが、この手配と教育がなかなか追いつかない。機器単体の基地局設置ばかりでなく、大規模ネットワークの構築もある。

新興事業者からの受注は、フルターンキーといって、ネットワーク設計から稼働開始まですべてを請け負うタイプが多くなっている。いちいち日本からスタッフを派遣していては採算が合わない。

現地スタッフ育成や現地工事会社との提携なども重要な課題だが、そもそもNECに来る人材には、海外で仕事をするという意識が相対的に低いという問題がある。新興国にビジネスの比重が高まっている中で、海外勤務を嫌がっているようではグローバル戦略もおぼつかない。

この意識を改革するため、08年から入社2年目以降の若手を単身海外事業所に送り込む研修システム「GTI」をスタートさせた。パソリンクの単体設置工事のような比較的単純な案件を一人で臨機応変に解決させていくなど、荒療治でもある。

こうした施策を通じて「海外」に対する意識は着実に高まりつつある。無線通信ネットワークという伝統的な技術から、グローバル企業への道筋が見え始めている。

◆NECの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]

(小長洋子 =週刊東洋経済2010年11月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 逆境からの人々
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
AOKI、コロナ禍で売れた「パジャマスーツ」で描く復活戦略の要諦
AOKI、コロナ禍で売れた「パジャマスーツ」で描く復活戦略の要諦
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT