3月からFRBの金融政策はどう動いて行くのか アメリカ経済と金融政策に詳しい小野亮氏が解説

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おの・まこと/みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部プリンシパル。1990年東京大学工学部卒、富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。1998年10月から2003年2月までニューヨーク事務所駐在。帰国後、経済調査部。2008年4月から市場調査部で米国経済・金融政策を担当後、欧米経済・金融総括。2021年4月より現職。FRB(米国連邦準備制度理事会)ウォッチャーとして知られる(撮影:風間仁一郎)

ただし、それはあくまでも現段階の見通しで、ウクライナ情勢次第というところがあり、今後は上振れも下振れもありうる。

パウエル議長は、ドットチャートは「FOMCとしての決定や予測ではなく、FOMC参加者らの個々の予測にすぎない」とやや軽く扱うだろう。今後の金融政策は、「情勢の変化に注意深く機敏に(nimble)対応」することになり、「何が起きるかわからない」という意味で「ライブだ」と説明すると思われる。

ウクライナ情勢なかりせば、むしろ、ドットチャートを積極的に市場への織り込み、市場との確認に使うはずだったと思うが、今回は、あまり重視しないでほしいと言うのではないか。

予見可能性を意識しているので、0.25%ポイントずつ毎回上げるのが基本。0.50%ポイントになることも否定はしていないので、今年早めに利上げを進めることもありうるが、その場合は、1994年のグリーンスパンのようなサプライズではなく、事前に示唆して市場に織り込ませるだろう。

バランスシートは6月から1年かけて削減

――QT(量的引き締め)はどのようなペースになるでしょうか。

基本的はバランスシートが前回のQE(量的緩和)と比べると2倍になっているので、前回(2017年9月~2019年9月に縮小)の2倍のペースで縮小するということだと思う。1年ぐらいで国債やMBS(住宅ローン担保証券)の償還金の再投資の縮小幅を拡大していって、1年後からはほぼ一定の削減をするだろう。前回は国債が60億ドルでMBSが40億ドルの合計100億ドルだった。その倍の計200億ドルのペースで進めていくのではないか。再投資の上限は前回が500億ドルだったので今回は1000億ドルになるのだろう。

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