混乱の金融市場「想定すべき次のシナリオ」の中身 経済アナリストが語るウクライナ危機の影響
ロシア国債のデフォルトリスクを注視
最悪のリスクシナリオについて検討が必要な状況になりつつある。
3月4日午前、ロシア軍がウクライナの原子力発電所を砲撃したという報道が飛び込んできた。深夜のアメリカ・ニューヨークの金融市場も一時騒然となった。
砲撃報道の前日、アメリカの格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがロシア国債を格下げしていた。投機的水準への大幅な格下げで、デフォルト(債務不履行)の懸念が高まった直後だった。
ロシア国債のデフォルトのリスクを注視しなければならない。ロシアはブリンクマンシップ(瀬戸際戦術)を取っている。アメリカなど西側諸国が、ロシア国債のデフォルトをあえて放置するような姿勢を見せれば、ロシアは報復として核を一段とちらつかせるのではないか。
今後、ウクライナの国内核施設への砲撃や占拠を拡大すれば、NATO(北大西洋条約機構)との緊張感が高まり、新冷戦も本格化する。
アメリカやNATOが本格的にレーダーや核兵器の照準をロシアに合わせるようなことが話し合われ、核戦争の脅威が現実味を帯びるような事態になれば、金融市場も大きく揺らぎ、株価は大暴落する。
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