スバル「新型レガシィ」はどこまで進化したか 一回り大きくなった6代目を徹底検証!

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スバルがこれまでのレガシィで培われた「走り屋」のイメージを払拭しようとしていることが見て取れる。走りを求めるユーザーは、セダンならWRX S4、ワゴンはレヴォーグに任せるという意図が見て取れるし、ハンドリング向上のため前後不等トルク配分を行なう「VTD-AWD」の設定もなくなった。

5代目で大型化され話題となったボディサイズは、新型ではさらに大きくなった。5代目ではそれでも日本市場にも配慮し全幅を1780ミリメートルにとどめていたが、6代目は1840ミリメートルまで拡大した。

理由はスタイリングの追求にある。自動車は横幅が数十ミリメートル違えば、見た目の印象はまったく違ったものになるのだという。そもそもこの大きさでは、絶対的な販売台数は見込めないので、スバルとすれば、もう遠慮することなく、これでも買ってくれるユーザーに対して、グローバルでベストなレガシィを模索した、という認識でいいだろう。ボディサイズが大きく、WRXやレヴォーグよりも車格は上だが、価格はむしろ割安感を覚える設定となっている。

“デザイン”と“動的質感”を訴求

6代目の新型レガシィでスバルが訴求したのは、“デザイン”と“動的質感”だという。外観のデザインは、スバル関係者も「歴代のスバル車の中でもっともスタイリッシュ」と自負しているとおり、なかなかきれいにまとまっている。先代の5代目と比べて、隔世の感があるわけではないが、新型は普遍的でありながらも印象深いデザインになったように感じる。

走りについては、スバルのフラッグシップカーとして相応しい高級感と、スバルらしい走りの楽しさを追求している。実際に走ってみると、スバルが狙いとしていることがわかった気がした。乗り心地は悪くはない。

従来の5代目は、硬さを感じるのに、コーナリングでのロールは大きめで、あまりフィーリングはよろしくなかったが、新型は全体のロール感もまずまずの仕上がり。とくに、新たに設定された「スタブレックス・ライド」を搭載する上級仕様のフラットライド感が高い。安定感があるのだ。

その点では好印象だが、ステアリングに対する反応が早すぎるところが気になる。全体的なスタビリティが高い中で、ハンドリングはかなり攻めたクイックな設定になっている。確かに操る楽しさを直感させるものはあるのだが、キャラクターを変えたいレガシィにとって、これが良いのかどうかと考えたときに、少々疑問が残る。

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