山陽3000系、多種多彩な「阪神・阪急直通」の立役者 一見すると地味だが、実はバリエーション豊富

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山陽電気鉄道3000系。3066号車は鋼製車と同じ車体色だが実はアルミ車だ(記者撮影)
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日本初の世界文化遺産である国宝姫路城や、映画・ドラマのロケ地としても知られる書写山円教寺など、歴史的価値の高い観光スポットを有する兵庫県姫路市。鉄道で出かけるならJR神戸線を疾走する新快速、遠方からは山陽新幹線が定番の移動手段になっている。

大阪・神戸発ならもう1つ、山陽電気鉄道という選択肢もある。本線は神戸市長田区の西代駅から、百貨店と一体となったターミナルがある山陽姫路駅を結ぶ54.7kmの路線。だが、神戸高速鉄道を経由して阪神電気鉄道と相互直通運転をしており、大阪梅田駅から「直通特急」が走っている。

所要時間は多少かかるものの、阪神なんば線を使えば、近鉄奈良・大阪難波方面から、尼崎や神戸三宮での1回の乗り換えで姫路までアクセスが可能だ。各駅に停まる電車に乗れば、最近改めて関心が高まっている『平家物語』、源平ゆかりの須磨寺へも最寄りで下車できる。

実は0系新幹線と同い年

山陽と阪神、阪急電鉄、神戸電鉄といった神戸市に乗り入れる私鉄各社の路線を地下で結んでいるのが、1968年開業の神戸高速鉄道だ。山陽電車3000系はこの神戸高速鉄道と、阪神、阪急への乗り入れを控えて開発され、1964年に登場した。

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それまでの山陽電車は国鉄兵庫駅に隣接した電鉄兵庫駅が東側のターミナルで、西代―電鉄兵庫間には併用軌道(路面電車)の区間もあった。3000系も一時期、自動車と並んで走る姿が見られたという。神戸高速鉄道の開業によって、山陽の車両が阪神の大石駅と阪急の六甲駅まで、阪神と阪急の車両は、山陽の須磨浦公園駅まで乗り入れるようになった。

初期の車両は当時画期的だったアルミニウム合金製。1965年には「鉄道友の会」が当時、前年に登場した通勤・近郊形車両を対象としていた「ローレル賞」に選ばれた。同年の「ブルーリボン賞」を受賞したのは、東海道新幹線の初代車両0系新幹線だった。

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