ソニー「Xperia Z3」、最大の魅力とは? ベルリンからプラハへ、製品レビューの旅<5>
ドイツ国内の長距離移動では、アウトバーンの速度無制限区域がかなりの割合に及ぶ。時速200キロを遙かに超える速度での移動で燃費を計測しても、日本における実燃費とは大きくかけ離れてしまう(おおよそだが、1リットルあたり10キロを若干切る程度で走ってくれた)。今回の予定では間の移動距離を長めに見積もっていたため、比較的ゆったり移動できるプラハ-ドレスデン間で、中心街、郊外、高速道路での移動を日本に近い状況で感じようと考えたのだ。
2世代前のGOLF V、それもダイレクトインジェクションが採用されていない3.2リットルVR6気筒エンジンという、もはや前時代のエンジンをを搭載するクルマを愛車に身としては、同程度の車格で最新の(それも好燃費だけを狙ったのではなく、高性能も同時に狙った)クルマでどのぐらいの実用燃費が出るのかにも興味があった。
チェコは街中に近くなると時速50キロ制限の区域がほとんどになるが、郊外では100キロ、高速道路では130キロ制限の区間が多い。またプラハの街中は渋滞が酷く複雑な街並みで、日本の街中にも近い。
そんな環境で街中2割、残り8割は郊外と高速道路といった割合で簡易計測(満タン法)した燃費は、1リットルあたり13キロ程度を記録した。燃費をさほど意識していたわけではなく、また3週間分の旅行に備えての仕事道具を含む荷物を載せた中でのこの数字は、なかなかのものだ。
広報車は6速マニュアルトランスミッションを搭載していたが、これがギアやエンジンを最適制御するDSGトランスミッション搭載車なら、結果はもう少し良くなっていただろう。経験上、よほど燃費を意識した走りをしない限り、DSGはマニュアルよりも燃費が伸びる。
無論、これがアウトバーンの速度無制限区域で、時速200キロを大きく越えるようになると、とたんに1リットルあたり9キロ程度(ただし制限区間との平均)まで落ちるのだが、好燃費かつトルクフルな日常の使い勝手と、高速でのパワフルさを兼ね備えているという意味で好バランスだ。
街中ではもっとターボラグ(アクセル応答のズレ)を感じるかと覚悟していたのだが、そちらも問題なし。230馬力のGTI Performance向けE888型エンジンは、官能的なエンジンではないが、愉しさと実用性、経済性などのバランスが、走りの良さへの欲望と現実との狭間で揺れる心が落ち着く、ちょうど良いところを押さえている。
バッテリー駆動時間とデザインのトレードオフ
もっとも、今回はGOLF 7の話を主にしたいわけではない。日本でも発売済みとなったソニーのXperia Z3についてのバッテリー駆動時間が主題だ。
自動車で”燃費”と言えば、同一燃料量でどのぐらいの距離走ることができるか(あるいは特定距離を何リットルの燃料で走れるか)で、どのぐらいの航続距離があるかを気にする人はない。ほとんどの車は充分に大きな燃料タンクを積み、実用的な航続距離を実現している。
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