ソニー「Xperia Z3」、最大の魅力とは?

ベルリンからプラハへ、製品レビューの旅<5>

GOLF 7 GTI Performanceで目一杯、パワーを引き出したとしても、目的地に辿り着けないのでは……といった心配をすることはないだろう。しかし、エレクトロニクス製品の場合、とりわけスマートフォンは”大きい燃料タンク”を持っていないものが、これまでは多かった。

スマートフォンに限った話ではないが、エレクトロニクス製品、とりわけ日常的に持ち歩く製品の場合、”バッテリー駆動時間とデザインのトレードオフ”をどう考えるかは重要なポイントだ。

スマートフォンにとって、デザイン性の悪化や重量の増加は、それに見合う商品性の向上とセットでなければ許容できない。デザインといっても、意匠を懲らせるポイントが少なく、大画面化で大きくなっているスマートフォンにおいて薄さが損なわれると、比較レビュー時に厚みを比べられてマイナスと捉えられかねない。

この点、上手にバッテリー駆動時間とデザインのバランスを取ってきたのはアップルだった。技術的な背景はここでは触れないが、アップルは半導体や液晶パネル、バッテリーといったハードウェアトレンドと、基本ソフトであるiOSの機能、アプリから利用できる機能の範囲などを細かく調整し、本体に必要なバッテリー容量が大きくなりすぎないようにしてきたのだ。

iPhoneはどの世代でも、ある程度のバッテリー駆動時間に対する不満はあるものの、致命的なほどバッテリーがもたないといった苦情もない。一時、iOSの不具合や調整不足、アプリ側の問題などでバッテリー消費が問題になったこともあるが、概ね抑え込まれていると言っていい。

新機種では、サイズの大きいiPhone6 Plusのバッテリーの持ち時間は長くなっていることが実感できるのに対し、”標準サイズ”とも言うべきiPhone 6は、従来機種に近いバッテリー駆動時間の感覚を引き継ぎつつ、ほんの少し延びた程度かな?といった絶妙のバランスに落とし込まれている。

アップル対して、Androidスマートフォンは電源管理が極めて難しかった。液晶バックライトの制御を工夫したり(センサーで手持ち状態を検知してバックライトを消さないよう調整。机の上やカバン内ではすぐに消灯するなど)、システム状態を細かく管理するなどの工夫をしても、なかなかiPhoneシリーズほどの省電力性を引き出せずにきた。

このため、大画面化とともに大容量バッテリー化も進み、電池技術の進歩よりもスマートフォン搭載バッテリー容量増加のペースが速くなった。つまり、電池が大きく重くなっていったのだ。

たとえばiPhone6のバッテリー容量は1810mAh(1810mAの電流を1時間流し続けられる電力)で、iPhone6 Plusは2915mAh。iPhone 5Sの1560mAhよりも増えているが、電力を多く消費する液晶画面が大きくなっていることを考えると妥当なところだろう。

Androidスマートフォンも燃費向上

これに対して同世代のAndroidスマートフォンは、力業でバッテリー駆動時間を延ばして来た。たとえばGalaxy S5は5.1インチディスプレイで2800mAh、Xperia Z2に至っては5.2インチディスプレイで3200mAhである。

基本ソフトやアプリの動作環境、液晶パネルサイズなどが異なるため、一概に比較はできないが、ミニチュアライズの工夫と最新大容量バッテリーの搭載によってバッテリー性能を引き上げたのが、前世代のXperia Z2だったと思う。これだけやっても、体感的には現在のiPhone 6よりも少し良いかな?と思うけれども、体感レベルとしてはどっこいどっこいの印象だった。

ところが、Xperia Z3は充分に大きなバッテリーを備え、瞬発力も省エネルギー性も兼ね備えたスマートフォンになり、一段上の体験レベルに達していた。

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