中国のマクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会は2月21日、陝西省と内モンゴル自治区で3カ所の大規模炭鉱の開発プロジェクトを認可したことを明らかにした。3炭鉱の年間生産能力は合計1900万トン、総投資額は240億元(約4352億円)を超える。
同委員会がはウェブサイトで公表した資料よれば、3炭鉱のうち2カ所は陝西省の楡横鉱区にあり、年間生産能力は600万トンと800万トン、投資額は81億2400万元(約1473億円)と74億6000万元(約1353億円)だ。もう1カ所は内モンゴル自治区のオルドス市にあり、年間生産能力は800万トン、投資額は85億4000万元(約1549億円)となっている。
第13次五カ年計画(2016~2020年)以降、中国政府は石炭の生産を山西省、陝西省、内モンゴル自治区、新疆ウィグル自治区の4地域の大規模炭鉱に集中させる政策を進めてきた。その結果、2021年の4地域の生産量は合計32億5200万トンと、中国国内の総生産量の8割を占めるに至った。
現在実施されている第14次五カ年計画(2021~2025年)では、政府主導で大規模な「スマート炭鉱」の開発を推進し、長期的に安定した石炭供給能力の強化を図る方針だ。
中小炭鉱の閉山を同時並行で推進
中央政府の方針を受けて、陝西省政府と内モンゴル自治区政府も大型炭鉱の新規開発を積極的に後押ししている。例えば陝西省政府は、1月に発表した2022年の政府工作報告(施政方針)のなかで、可可蓋(ククガイ)炭鉱と巴拉素(バラス)炭鉱の開発促進を打ち出した。両炭鉱は年間1000万トン級の生産能力を持つ超大型鉱区だ。
陝西省政府は大規模炭鉱の開発と同時並行で、中小規模の炭鉱の閉山も進めている。省政府の2021年の通達によれば、閉山の対象は(炭鉱運営会社が)債務超過に陥っていたり、操業が長期間停止していたり、(大規模化に向けた設備の)改造や建設の完成が見込めない炭鉱となっている。
なお、冒頭の3カ所の認可により、2022年に入って国家発展改革委員会が新たに開発を認めた炭鉱は合計5カ所、年間生産能力は2440万トンとなった。先んじて認可された2カ所は寧夏回族自治区の積家井鉱区と陝西省の楡横鉱区にあり、年間生産能力は合計540万トン、総投資額は83億5300万元(約1515億円)に上る。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は2月22日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら