松井一郎「日本のためにはまともな野党が必要だ」 「23年春の政界引退揺るがない、次に後を託したい」
塩田:4カ月後に参院選があります。自民党と公明党で過半数を維持できるかどうかが注目点といわれています。参院選の焦点となるテーマは。
松井:コロナ対策も1つと思いますけど、今、中国と台湾、ウクライナの問題など、世界の安全保障環境が非常に懸念される状況になっています。日本を持続可能な国家とするためにも、外交力、防衛力をどうやってアップしていくかが大きな争点になると思います。
僕は前々から唱えていますけど、参院選と同時に憲法改正の国民投票をやるべきです。日本は世界に向かって自力で国を守る力を持つんだという意思表示をせず、何かあっても憲法の制約があるので一歩引いた形で財政支援まで、というやり方ですが、このままで本当にこの先、日本の国民を守れるのかなあ、とその点が心配です。
参院選で憲法問題を大きな論点にする。国会で憲法審査会を開いて改憲案の国民投票の時期を決める。自民党が覚悟したらできるんですよ。この話はスケジュールを決めないと絶対できない。大阪都構想の住民投票も、スケジュールを決めたからできた。反対のほかの会派は、もっと丁寧な議論をと言ったが、そんなことを言っていたら絶対できません。
政策一致なしの野合・談合にはくみしない
塩田:昨年の衆院選で議席減となった立憲民主党は、代表が交代しました。4カ月後の参院選での1人区(定数1の選挙区)での共闘問題について、どんな姿勢と方針ですか。
松井:政策の一致なしの野合・談合にはくみしません。新代表の泉健太さんは「共産党との連携を白紙で考える」とか、まともなことを言うので、立憲民主党も少し変わるかなと期待はしたけど、全くガバナンスがないですね。自分では何か言っているけど、われわれから見ると、党内で泉さんを代表としてリスペクトしている人たちはいないのでは、と思います。
路線と方向をもうちょっとはっきり示すべきです。「共産党との連携は白紙」と言っているけど、意味がわからない。組まないつもりなのにそれが明確にできないなら、代表になった意味がない。「この方向でやる。ダメなら代表を辞める」と言うか、「従えない人は出ていってくれ」と言うのがリーダーのあるべき姿だと僕は思います。
塩田:国民民主党は2021年の衆院選では議席を少し増やして、何とか生き残った感じです。
松井:玉木雄一郎代表も、発言を聞いていると、どっちなのか、ようわからんところがあります。衆院選までは立憲民主党に寄っていた。衆院選後、急に維新に寄ってきて、われわれの提案型の是是非非・野党路線に切り替えた。一方で、都民ファーストの会とも協議を進めている。その話は、僕からしたら「ご自由に」ということです。
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