「被扶養者が社会保険に加入すると得」のカラクリ 収入減でも傷病手当金や年金額増などで利点大

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また昭和41(1966)年4月1日以前に生まれた妻は、65歳になると加給年金の支給が停止する代わりに、「振替加算」がプラスして払われるようになります。金額は生年月日により変わり、昭和36(1961)年4月2日~昭和41年4月1日生まれの人は、年間で約1万5000円程度です。

「加給年金」は忘れずに申請しよう

これらの制度については、「ねんきん定期便」にも載っていないため支給漏れも多いようです。厚生労働省は2017年、事務処理のミスなどで、公的年金の支給漏れが見つかったと発表。年金加入者の配偶者が65歳になると年金額に上乗せされる「振替加算」が、約10万人に対し総額約598億円が未払いだったと公表しています。

年金はできる限り「未納」しないこと

年金は請求しないともらえません。日本年金機構のホームページで制度について紹介されていますが、正直、わかりづらいです。お近くの年金事務所や、社会保険労務士などの専門家に相談し、忘れずに申請しましょう。

年金は納めた月数によってもらえる金額が変わります。未納の月数が増えれば、その分、金額は減ってしまいます。そのため、できるだけ未納は避けましょう。習慣とは恐ろしいもので、いったんやめてしまうと再開するにはエネルギーを要します。

年金の未納が続くと老齢年金の額が減るだけでなく、障害年金や遺族年金がもらえなくなる恐れもあります。なぜなら、対象期間のうち保険料を納めた月が3分の2以上、初診日の属する月の前々月に保険料未納期間がないことなどの要件を満たさないと、支給されないからです。

冷たい制度だなと思う人もいるかもしれませんが、保険は国民みんながお金を出しあって維持する制度なのでしかたがありません。なお民間の保険では、未納期間が2カ月続くと契約失効してしまいます。

もし保険料の支払いが厳しくなってきたときは、国民年金であれば、支払いを免除してもらえる制度があります。これは収入の減少や失業などにより、国民年金の保険料を納めるのが経済的に困難になった場合に利用できます。

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