以下、7位アイシン(98.5%)、8位テイ・エス テック(98.2%)、9位豊田自動織機(97.5%)、10位デンソー、関西電力(97%)と続いた。
一般的に、業務計画を立てやすい製造業のほうが、計画的に休暇を取得しやすい。確かに、ランキング上位には自動車関連企業が目立った。しかし、非製造業でも有給休暇の取得推進に取り組んでいる企業はある。
例えば、建設業でトップの大東建託(188位、74.8%)は、「2023年度までに取得率80%を目指す」という数値目標を掲げている。実際に、関西エリアの14事業所を対象として、月1回独自の休業日を設定するなどの取り組みを展開している。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(46位、86.1%)は、今年もサービス業で首位だ。同社は正社員だけでなく、準社員など非正規社員の取得率も高い。コロナ禍においては、非正規社員への休業補償引き上げなども実施している。
「休み方」の変化への対応も急務に
今回のランキングでは、新型コロナの影響もみられた。例えば、ランキング上位199位(204社)のうち、2020年度の取得率が前年を上回った企業はわずか35社だった。
要因としては、新型コロナ関連の各種特別休暇の付与、在宅勤務の進展で通勤・残業時間が減ったことよる平日の余暇時間増加などが挙げられる。いずれもコロナ禍で整備が進んだ制度で、有給休暇取得のインセンティブを低下させている可能性がある。今後は、同様の傾向がより多くの企業に表れる可能性もある。
政府はこれまで、有給休暇取得率の数値目標を「2020年までに70%」としてきた。しかし、結局、同目標の達成は困難となり、目標達成時期は2025年に先延ばしされている。
在宅勤務や時差出勤など、コロナ禍で働き方が変化した職場は多い。有給休暇の取得率向上の取り組みも、現在の延長では限界があるのかもしれない。時間単位の有給休暇制度やテーマ性を持たせた休暇の付与など、企業には「休み方」の変化への対応も今後求められるだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら